「抜けた」マーケティングの組織論

 

このところ、インスタント食品の業界で、ソーシャルメディアでの拡散を期待した、かなり「抜けた」マーケティングが目立つようです。

数年前、ダイオウイカのイカスミで作った真っ黒なかっぱえびせん、「かっぱイカせん」を売り出すというエイプリルフール投稿で当てたカルビーは、黒い袋にわずかにその黒い顔かたちだけが浮き上がる、松崎しげるのポテトチップスを、本当に発売してしまいました(笑)。

例の大騒動のあと、不衛生を厳しく指弾された工場を立て直し、ペヤングもさまざまに趣向を凝らした商品を続けざまに発売しています。また、日清食品も、「謎肉」キャンペーンなど、若者のツッコミ待ちとしか思えない、「狂った」キレのあるキャンペーンを実施しまくっています。

日清食品は、カップブードルやどん兵衛など、商品プロダクトごとに厳格な独自採算制を敷き、各プロダクトマネージャーに責任と権限を集中させ、あまり上から口を出さないマーケティングの体制を採っていることで知られています。このような、柔軟な組織構築と思い切った権限移譲が、ソーシャルメディアに限らない、機動力のあるマーケティングを実現しているのでしょう。

もちろん、権限移譲も、野放図にやってしまうとさまざまな反作用が起こります。当然のこと、各プロダクトチームには、やってはいけない最低限のガイドラインは、かならず徹底されているはずです。 一見、そうした縛りの緩そうなアメリカ系の企業などは、特に人種やジェンダーに関わる要素については、日本人には理解不能なほどの、とても厳格な統制を敷きます(批判を受けた場合の企業ダメージが計り知れないことを知っているのです)。

同調圧力が高いと言われる日本の社会においては、特定の社会通念に反する行動や表現について、細かなことでも炎上しやすい特性があります。 手綱は締めた上で、現場に徹底的に任せる。 難しいですが、これがソーシャルメディアを運営するうえでの、最適の組織のあり方なのかもしれません。