崩されて、はじめてわかるロイヤリティ

消費者が、ブランドに対して抱くイメージにはさまざまありますね。望まれるのは、いわゆる「ブランド・ロイヤリティ」などとカタカナで呼ばれることの多い、そのブランドに対する愛着・信頼、もっとありていに直訳体で書くなら、「ブランドへの忠誠心」を獲得したい、ということだと思います。訳文のこなれていない翻訳物のマーケティング本には、この訳が散見されますが、とんでもない誤訳というわけでもなく、意外にマーケティングする側の本音みたいなものがのぞいて面白い気もします。

 

それはともかく・・・高級ブランドや嗜好品ブランドなど、ダイレクトにユーザーの愛着を得やすい分野以外にも、実に多様なブランドが存在します。たとえば、イケアは日本では北欧のちょっとおしゃれな家具というイメージを持たれていますが、もともとは、「スエーデンのニトリ」とも言うべき、廉価版家具のブランドでした。ウォルマートはスーパーマーケットですし、マクドナルドはファストフードのブランドです。そもそも、いくらでも他に替えが効くこのようなブランド群が、ロゴマークや宣伝や、あるいはソーシャルメディアでのマーケティングなどに投資する意味は・・・愛着を得るというよりも、まず品質やサービスへの信頼感を持ってもらうこと、次いで、競合ブランドよりも想起率を上げることなのではないかと思います。

 

その意味で、興味ふかい調査がこちら。

Over 150 People Tried To Draw 10 Famous Logos From Memory, And The Results Are Hilarious (boredpanda.com)

 

 

英文ですが、まあ、見ればわかる記事ですよね(笑)。タイトルだけ、日本のブログ風に訳すと、「超有名ロゴを150人に思い出させてみたらめっちゃわろた」みたいな感じになるでしょうか。

 

FootlockerやTargetといった、日本人にはあまり馴染みのないブランドも含まれていますが、あとは誰でも知っているロゴ。特に、スターバックスのグダグダさ加減は、たしかに見るだけで大爆笑です。まあ、もとが再現するには難しいロゴでは、あるのですが。

(ちなみに余談ですが、「スターバックス」とは、創業者の姓ではなく、メルヴィルの古典小説「白鯨」に出てくる生真面目なサブキャラの名前です)

 

これらの労作群をみていると、細部はグダグダでありながら(笑)、どこかでしっかりと人々の脳裏に「刺さっている」ことがわかります。決して、ブランド側が望む通りの形態ではなく、それぞれのユーザーの脳内で、勝手に解体され、溶解され、あるいは全くの別物に再構成され(笑)、しかし、確実にそのブランドのロゴだと認識されているのです。

 

ブランドを想起するのは、決してロゴマークだけではなく、ソーシャルメディアを含む、そのブランドと人々とを結びつける接点がどれだけ密接なのか、ということ。ソーシャルメディアにおいても、このように、人々の脳裏に「刺さる」マーケティングを心がけたいものですね。

 

(写真は boredpanda.com より)