キャラクターたちの明暗(2)
 
 

他のテーマで様々ありましたため、後編が遅くなりました。「ニクレンジャー」をはじめとした、キャラクターたちについてです。

このような、インターネットにおけるキャラクターの淵源は、日本の伝統であるアニメや戦隊ヒーローもの、はては歌舞伎や落語の登場人物やら立川文庫の歴史ヒーローなど、様々に考えられると思いますが、近々のムーブメントのなかでは、2010年以降数年、日本中を席巻したといっていい、「ゆるキャラ」たちがその直接の祖先になっている、という可能性は高いでしょう。

「たれパンダ」や「やわらか戦車」といった、インターネット時代以降に登場したキャラも数多くありますが、現在で言う「ゆるキャラ」は、地方の自治体などが、地元の名産や名所、トピックスなどを全国に発信しようとする際に使われる、媒介としての役割を担っているものがほとんどです。筆者の記憶する限り、最初の「ゆるキャラ」は、せんとくん(奈良県)でしょう。古都・奈良の「遷都1300年祭」の公式マスコットキャラクターとして、地元の芸術学部教授で彫刻家のプロが考案したものです。

しかし、このキャラ、「かわいい」と表現するにはクセがありすぎ、当時の評判は散々だった記憶があります。しかし、いろいろ言われながらも、その後ずっと存在感を示し続けているという意味では、多くの人の心にしっかりと爪痕を残したといえるでしょう。

次に全国区となったのが、ひこにゃん。こちらは、せんとくんに較べて、より万人受けする、どこからみても健気でかわいい造形でした。続いて、真打ともいえる、くまもんの登場。このあたりになると、キャラクターをどのように広め、より活発に人々の意識に登るようになるか、メディア戦略や権利関係、ブランド管理等についての配慮がみてとれるようになります。

以降・・・世の中は、「ゆるキャラ」ブーム。全国各地の自治体・商工会などでさまざまな「まちおこし」キャラクターが企画され、最終的には、全国各地の「ゆるキャラ」だけで大運動会が開かれる騒ぎに。しかし、ここまでくると、有限であるメディア露出の食い合いは飽和点に達し、せっかく創造されても、誰にも見向きもされない、残念な「ゆるキャラ」たちの死屍累々、といった状況も生まれました。

<3に続く>
 
Photo credit: kimtetsu on VisualHunt.com /  CC BY-NC-SA